2000年01月05日

ママの気持ち1

*さかなのひとりごとに置いていたデータをコピーしたものです*

赤ちゃんが生まれたら、一緒にいられるのが当然のことのように思っていました。生まれたばかりの可愛い赤ちゃん、おっぱいを飲ませることはもちろん、胎便のついたおむつ交換さえも楽しみでした。やんちゃな上の子はおばあちゃんに預けてあるし、入院中は赤ちゃんとふたりっきりの楽しい日々のはずだったのに・・・。

ひとりぼっちの入院はとても寂しいものでした。同じ病棟のお母さんのところには可愛い赤ちゃんがいて、世話や授乳で一日中忙しそう。でも・・・私はひとりっきりで産褥体操をやったりするだけ。お乳が張るようになってからは3時間おきの搾乳を必ずした。冷凍庫にお乳を入れておけば、看護婦さんが治療中の赤ちゃんに飲ませてくれるから。すぐにお乳は出ないから、一番はじめは5cc次は10cc・・・少しずつ多く搾乳した。いつ赤ちゃんが戻ってきてもいいように。授乳室では他の赤ちゃんがお母さんのお乳に吸いついていて、とても羨ましかった。たまに手の空いていないお母さんの赤ちゃんを抱かせてもらったけど、とても温かくて可愛い。

黄疸の原因が特定出来ないことと治療が終わらないことで、産後の私はかなりナーバスになっていたみたい。でも、自分の気持ちが出せない性格なのでいつもこっそりトイレで泣いていた。毎日面会に来てくれる主人の母と上の子に赤ちゃんを見せてあげられないことも辛かった。おじいちゃんおばあちゃんたちに早く赤ちゃんを抱いて欲しかったから。主人の父が大きな薔薇の花束を持って面会に来てくれた時は泣いてしまった・・・みんな、ごめんねって。

NICUのない病院で、治療中の新生児に対する面会規定はありませんでした。健康な新生児(生後1~2日の母子同室になっていない赤ちゃんのみ)は、一日2回の決められた時間だけガラス越し面会が出来ます。新生児室の窓は廊下に面しているので、そこを通る人は誰でも赤ちゃんが見られます。私が寂しそうな顔をしていたのかしら・・・お産を担当してくれた看護婦さんが「詰所で言ってくれればカーテンを開けるから。面会時間になったら赤ちゃんに会ってあげて。きっと喜ぶよ。」と言ってくれました。(治療中の赤ちゃんは面会時間中もカーテンと仕切りに隠され見えなかったのです。光線治療の青い光を見て赤ちゃんを感じていました)面会時間になったので偶然来ていた主人の母と上の子と詰所に行ってカーテンを開けてと頼んだら・・・「治療中はお母さん以外の人には見せられない。」さきほどとは別の看護婦さんに断られてしまいました。やっと家族に赤ちゃんの顔を見せてあげられると思ったのに・・・母に申し訳ない気持ちで涙があふれました。

これは面会規定がないことで看護婦さんによって対応が違うことが原因でした。誰が悪いと言うことではないけれど・・・とてもショックを受けたことは間違いありません。面会と言っても廊下から突っ立って赤ちゃんを見ているだけ・・・そう何分もそうしていられるものではありません。それだけのために忙しい看護婦さんに声をかけることも申し訳なかったし・・・。でも、ほとんどの看護婦さんたちはとても親身になってくれ、私もとても助けられました。面会時間でないときにたまたま新生児室を通りかかった私に気付いた婦長さん、内緒で(?)カーテンを開けてくれ、暫く赤ちゃんの顔を見せてくださいました。思ってもみなかったプレゼントがどれほど嬉しかったことか。上の子を取り上げてくれた助産婦さん、他の人が赤ちゃんの様子についてはっきりと説明してくれなくて、落ち込んだまま病室に戻る私に優しく声をかけてくれた。「辛いよね。でも、大丈夫だから!ずっと赤ちゃんが帰ってこないのに、おさかなさんは良く頑張っているよ。」って。看護婦さんたちにとってはお仕事なんだろうけど、人の思い遣りや優しさをこれほど感じたことはなかったと思う。ちょっと無神経な看護婦さんもいてカチンときたこともあったけど、本当に素敵な看護婦さんたちに会えたことは幸せでした。

結局赤ちゃんとは一緒に退院出来なくって、私ひとりでの退院。心に大きな穴がぽっかり開いたって感じ。自分の赤ちゃんの顔も声も覚えられないままの退院・・・自分が情けなかった。赤ちゃんがいない不安とストレスを出せないことで、上の子や家族にきつくなっていたと思います。(この場を借りてゴメンナサイ。もう遅いって?(笑))3時間おきの搾乳は欠かさず、1日に1回冷凍乳を病院に運びました。運ぶついでに授乳を理由に面会しましたが、これもまた辛いことばかり・・・。検査で常在菌(誰にでもついている菌)が見つかったとかで赤ちゃんは隔離されているし、面会も手術で着るような服を被うエプロンを着ないと許されない。(後ろで紐を結ぶタイプのエプロンでしたが授乳するには前を開ける必要があり、後ろ前に着ました(笑))当然入室前後は消毒するし、赤ちゃんの着た衣類はMRSAと書かれたバケツに入れてありました。(MRSAではなかったけど、他の赤ちゃんとは別にという意味)正直、あまり良い気はしなかったです。(でも、病院としてはしっかりしているので安心と言えますよ)お乳をあげながら周りを見ると、そこには未使用の注射器がたくさん並んでいました。毎日毎日、何回も採血しているから・・・仕方ないとはいえ、見るのは辛かったです。授乳が終われば(ものの5~10分)もうお別れ。時間制減はなかったけど、用もないのにいるわけにもいかないので・・・。私が面会していれば、看護婦さんも詰所にいないといけませんし、そこまで無理は言えませんでした。

結局、赤ちゃんは10日後に退院出来ました。私にとっては長い長い10日間でした。赤ちゃんもひとりっきりで良く頑張ってくれたと思います。
posted by おさかな at 00:00| Comment(0) | 血液型不適合妊娠 | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
コメントを書く
コチラをクリックしてください